36.8℃の微熱。
なんて思っていると───・・。
「おいコラ、先に食うとはどういうことだ? しかも『急用が入って先に帰った』とか、俺はずっといるっちゅーねん」
「・・・・!?」
噂をすればナントヤラ。
小春さんとヨリを戻し中のはずの先生が、ものすごーく不機嫌な顔であたしを見下ろしていた。
「え!? 小春さんは?」
「仕事に戻りました。あ、すいません、水ください」
近くにいた店員さんにお水を頼んだ先生は、ついでに「ここの席にマルゲリータ追加ね!」と言って向かいの席に座る。
・・・・ヨリを戻すの、失敗しちゃったんだろうか。
どうこの話を処理したらいいか分からずに黙っていると、深いため息をついた先生が口を開く。
「ありえないよ江田ちゃん。一緒にご飯食べるって約束じゃん」
「あー、いや・・・・」
「ホント、ありえない」
正面の先生は見下ろしていたときよりさらに迫力ある不機嫌な顔。
言う台詞はいつも通りな感じなんだけど、節々に刺々しさが。
八つ当たりか!?
やっぱりまたフラれた!?