36.8℃の微熱。
 
なんて思っていると───・・。


「おいコラ、先に食うとはどういうことだ? しかも『急用が入って先に帰った』とか、俺はずっといるっちゅーねん」

「・・・・!?」


噂をすればナントヤラ。

小春さんとヨリを戻し中のはずの先生が、ものすごーく不機嫌な顔であたしを見下ろしていた。


「え!? 小春さんは?」

「仕事に戻りました。あ、すいません、水ください」


近くにいた店員さんにお水を頼んだ先生は、ついでに「ここの席にマルゲリータ追加ね!」と言って向かいの席に座る。

・・・・ヨリを戻すの、失敗しちゃったんだろうか。

どうこの話を処理したらいいか分からずに黙っていると、深いため息をついた先生が口を開く。


「ありえないよ江田ちゃん。一緒にご飯食べるって約束じゃん」

「あー、いや・・・・」

「ホント、ありえない」


正面の先生は見下ろしていたときよりさらに迫力ある不機嫌な顔。

言う台詞はいつも通りな感じなんだけど、節々に刺々しさが。

八つ当たりか!?

やっぱりまたフラれた!?
 

< 109 / 555 >

この作品をシェア

pagetop