36.8℃の微熱。
“はっ?”って先生・・・・こっちが“はっ?”なんですけれども。
───もし。
もし、いい感じのところであたしがいないことに気づいてここに来たのだとしたら。
小春さんの、沸きあがる先生への愛しさとか嬉しさとかなんたらかんたらとかは・・・・?
目の前の相手が急に「約束を思い出したからじゃあ!」ってなったら、高ぶった感情は誰に伝えればいいの? 紳士服? 違うよね。
「先生、女子の気持ちが分からなすぎです!あたしより小春さんでしょ? せっかく会いに来たのにそれを棒に振るつもり!?」
これは損得勘定なんかじゃない。
本気で先生のことが心配で、お互いに気持ちが残っているなら仲直りしてほしいんだ。
だって、見つめ合っているときの先生と小春さん、すっごくお似合いだったんだもん。
子どもな考えかもしれないけど、まだ可能性が残っているならチャンスを無駄にしてほしくない。
「・・・・ていうか江田ちゃんさ、なんか勘違いしてない? 小春とはもうヨリを戻せるレベルじゃないんだよ、もともと」
「え・・・・」