36.8℃の微熱。
 
ど、どういうコト?

ヨリを戻せるレベルじゃないってさぁ・・・・じゃあ、あの━━『柊』『小春』ぽわわわわ〜ん━━って雰囲気はなんだったの。

あたし、幻でも見たワケ?


「プッ。江田ちゃんって腹黒な上に思い込み激しいんだね。さっきといい、今といい、ウケる」


よほどポカーンとした顔をしていたのか、先生はあたしを見ながら吹き出して笑った。

心配してあげたのに笑われた!

なんかあたし、いいこと一つも言われてませんがな・・・・。


「ふ、ふんっ!悪かったですね!あたしなんてあたしなんて!」

「俺じゃダメ?」

「・・・・」


こうなったら思いっきり拗ねてやろうと思って、テーブルをグーでバンバン叩いたあたし。

けれど、その言葉をあたしの耳はしっかりキャッチしてしまった。

思わず手も止まる。


店内はお客さんの楽しそうな声で溢れていて、あたしはあたしで騒がしくしていて。

でも、小さな声だったのに聞き取れてしまったその台詞に、あたしは不覚にもドキッとした。


なな、なんだこれは・・・・。
 

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