36.8℃の微熱。
 
そうしてあたしは、半ば強引な感じで話を終わらせた。

お弁当の残りをモギュッと口に詰め込んで、勉強道具を引っつかんでいざ図書館へ!


「茜ちゃん、そんなに浅野君に会いたいのぉ〜? ドキドキしたらまた教えてね〜!」

「・・・・!! ふがふがっ!!」


そんなあたしを見て、ユカちゃんは薄ら笑いを浮かべて手を振る。

早く王子に会いたいってさ、そういうんじゃないんだけどなぁ。

絶対楽しんでるよね、あたしを。

はぁ・・・・。





───ガラガラ。


「浅野君〜、お待たせ〜」


相談する相手を微妙に間違えたことを後悔しつつ、図書館に到着。

もう指定席になった窓際の席へと足が自然に歩いていく。


「・・・・??」


けれど今日は「待ってたよ」っていつも言ってくれる王子の声が聞こえてこない。

はてさて、王子はいずこ。


「あ、トイレかも」


そうだよね、王子もトイレくらい行くよね、体悪くしちゃう。

王子は行かない、とかちょっと思っていた自分が笑える。あは。
 

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