36.8℃の微熱。
 
すると突然・・・・。


「うぅ〜、マズい」


・・・・さ、触りたい。

どうしよう、猛烈に触りたい。

こんな感情に襲われた。


ヤダヤダあたしったら何考えちゃってんだもーっ!! 変態じゃん!!

と自分にツッコミを入れてはみたけど、それでもじーっと見つめずにはいられないあたし。

触りたい気持ちは、胸のトクトクと一緒にどんどん膨れ上がる。


むむむ。

むむむむむ。

むむむむむむむ。


そうしてしばらく欲望と理性の間で葛藤をしたあたしだったけど、触りたいものは触りたい。

やっぱり欲望には勝てなかった。


「・・・・お、王子が寝ちゃうからいけないんだかんねー。ふーんだ、ふーんだ、あたし悪くないもん」


なんていう正当には程遠い理由をつけて、王子の前髪にそーっとそーっと手を伸ばした。

胸のトクトクはもう最高潮で、体も熱くて頭がぼーっとする。

それは“微熱”・・・・そう言ってもおかしくなくて、むしろこれが一番当てはまる言葉なんじゃないかと思う。

あたし今、ときめいてマス。
 

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