36.8℃の微熱。
 
───*。゚



はぁ、まるで揺りかごに揺られている気分だわ、あたし。

すっごく気持ちいい。


「だ・・・・ん? え・・・・さん?」


ん〜。誰ー? お母さん?

もぅ、まだ眠いよあと5分〜。


「江田さん、起きて」

「あと10分〜」

「もう放課後だよ、夜眠れなくなるから起きてよ江田さんっ」

「?? ・・・・えっ?」

「おはよう」

「おおおお、おは?」


揺り起こされて目が覚めると、まずはじめに見えたのは自分の制服と図書館の机だった。

次に見えたのは、王子の顔。

困っているような、申し訳なさそうな、そんな顔であたしの顔を覗き込んでいた。


王子の寝顔を見ていたつもりが、王子にも寝顔を見られて・・・・ってうそーーーん!!

飛び上がる勢いで体を起こすとあたしはとりあえず口元を拭った。

よよよ、ヨダレが心配。


「ごめん江田さん。授業サボらせちゃったね。俺もついさっき目が覚めたんだ、ごめん」

「・・・・え、そそっそんな、授業なんてっ、あたしこそごめん」
 

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