36.8℃の微熱。
───*。゚
「ごめんね、かえって遠回りさせちゃったね・・・・」
「ううん、気にしないで」
「ありがとう」
「じゃあ、また明日。学校で」
「うん、バイバイ」
それから3時間ほど、静かなコーヒーショップで勉強を教えてもらったあたし。
そこの近くのコンビニで牛乳を買って、電車に乗って、王子に家の前まで送ってもらった。
ユカちゃんと放課後デビューしたマックじゃなく、コーヒーショップを勉強場所に選ぶあたりがやっぱり王子らしくて。
コーヒーのいい香りが漂う店内での王子は格段に大人っぽかった。
あれからときめきっぱなしのあたしの頭はなかなか公式を理解できなかったけど、それでも分かるまで何度も教えてくれて。
それがかえって頭の回転を鈍くさせて、ポワ〜ンともさせた。
「あ・・・・」
王子の姿が見えなくなるまで、と家に入らず後ろ姿を見ていると、気づいた王子が振り返った。
“早く家に入って”とジェスチャーする王子の笑顔は、乏しい街灯の灯りの中でも眩しいくらい。
ホント王子だなぁ。