36.8℃の微熱。
 
あれまぁ、ってアナタ・・・・。

まぁ、こんな感じだろうなぁってだいたい想像はしていたけども。

でもやっぱり想像していたのと実際とでは違うもので、興味津々な目であたしの話を待つユカちゃんにため息がこぼれた。


「はっは〜ん、恋のため息?」

「違うって。逆なの、逆!」

「逆?」

「そう。だからユカちゃんと一緒に教室に行こうと思って」


空に向かって真っすぐ伸びる庭の芝生や木を横目で見ながら、ユカちゃんと2人、ゆっくり歩く。

元気なのはユカちゃんと植物だけかぁ・・・・。なんとなく恨めしい。


「・・・・ケンカでもしたの?」


そう聞かれてユカちゃんに顔を向けると、さっきまでと打って変わって心配そうな顔。

あたしは“ううん”と首を振ってとりあえず笑顔を作った。


「だいたい、浅野君とはケンカになんかならないよ。ちょっとね、助けてもらったの」

「あぁ分かった。塾の先生絡み」

「うん・・・・」

「だったらなんで会わす顔がなくなっちゃうの? 先生はそうかもだけど、浅野君とはよくない?」
 

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