36.8℃の微熱。
 
やれやれといった感じで頬杖をつき、王子を見るユカちゃん。

ユカちゃんの視線をたどって、どうしてもあたしも見てしまう。

何を話しているのか、あたしたちのほうまで声は聞こえないけど、王子はとっても楽しそうだ。


「とりあえずさぁ、今日の勉強会はどうすんの? キャンセル?」

「それなんだよね、問題は。あたしから頼んだことだしさぁ。・・・・ユカちゃんも一緒にやらない?」

「えっ、あたし?」

「うん。ダメ・・・・かな?」


あたしたちはあたしたちで、またもとの話を再開する。

王子から「今日は都合が悪くて」って言われるなら話は分かる。

でも、お願いしている立場のあたしから、しかも勝手に気まずくて断るなんてできっこない。


「ダメじゃないけど・・・・。茜ちゃんはそれでいいの?」

「とりあえず、今日のところは」

「・・・・うーん、分かった。少なからずあたしにも責任あるし。じゃあその代わり、ちゃんと聞かせてね、昨日のこと」

「うん、ありがと」


そうして、今日はユカちゃんが来てくれることになった。
 

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