36.8℃の微熱。
 
「どうしたの?」

「ん、ちょっと・・・・」

「夏バテ?」

「ううん。はぁぁぁ〜」


気になって聞いてみたけど、ユカ様はなかなか話してくれない。

頬杖をついてため息をこぼし、食べかけのショートケーキのイチゴをフォークでつついている。

ユカ様がこんなにもあからさまに元気がないなんて・・・・。

はっ、もしかして!


「ねぇ、ひょっとして、夏に弾ける計画がうまくいってない?」


一緒に弾けてくれる人が見つからないとか、弾ける暇もないくらい忙しくしているとか。

終業式の日、あんなに楽しそうに話していたのに切ないなぁ。


「・・・・なんだかねぇ。あたしとしたことが本気になっちゃいそうなのよ。夏が終わっても好きなままでいそう、っていうか」

「えっ? 言ってる意味が・・・・。それでいいんじゃないの?」

「えっ? あたしは茜ちゃんの言ってる意味がよく分かんない」

「・・・・え?」

「ん?」


あれれれ、話が噛み合わないぞ。

もしや・・・・あたしの“弾ける”の解釈、間違ってた?
 

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