36.8℃の微熱。
 
「茜ちゃんにはホンットくだらないと思うけど、どっちが先に彼氏できるかお姉ちゃんと勝負してるのよ。よりイケメンの彼氏をね」

「はぁ、勝負ですか・・・・」

「そう!だからあたしは海の家でバイトしながら彼氏探し。お姉ちゃんは大学生だもん、出会いなんてゴロゴロあるでしょ? 負けられないと思って」

「・・・・うん、そうだね」


あはは。なんだろう、このドッと湧き出る疲労感は・・・・。

心配して損した感がハンパなくあるんですけど。

ヘビー級の理由じゃなくてよかったとは思うけど、やっぱりユカ様はあたしじゃ理解不能だ。


「だってね!聞いてよ茜ちゃん!お姉ちゃんったらひどいの!」

「ハ、ハイッ!」


ほよ〜。今度は怒りはじめた!

ケーキのイチゴにぐっさりとフォークを突き刺し、それを鬼の形相で口に運ぶユカ様。

食べているものはかわいいんだけどね、か、顔が怖い・・・・。


それからユカ様は、お姉ちゃんの愚痴をたんまりと吐いた。

鬼の形相はそのままに、あたしのぶんのケーキをもしゃもしゃと食べながら・・・・。
 

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