36.8℃の微熱。

パラダイス!?

 
───ガタン ゴトン
   ガタン ゴトン・・・・


「ふぁあ〜」


心地よい電車の揺れに、もう何度目かも分からないあくびを一つ。

夏休みの早起きは、なんだかちょっと損をした気分になる。


「ふぁあ〜」


もう一つ大きなあくびをして、あたしは窓の外をゆっくりと過ぎていく景色に目を移した。

あたしは今、早朝5時の始発に大きな荷物とともに乗っている。

約1週間ぶんの大荷物だ。


「それにしてもさぁ・・・・」


同じ車両に乗っている数人の乗客たちがみんな早々に眠ったのをいいことに、あたしはポツリと独り言をこぼす。

どうして大荷物と一緒に始発に揺られることになったのか・・・・。

それを思い出すと、目的地に着くまでに少し眠っておきたいのに目が冴えてどうしようもない。





───*。゚


それは昨日の夜のこと。

家族で晩ご飯を食べているときに鳴ったあたしの携帯が、そもそもの事の始まりで。

お母さんに注意されながらも携帯を開くと、ユカ様からメールが一通届いていたんだ。
 

< 181 / 555 >

この作品をシェア

pagetop