36.8℃の微熱。
そう言って、あたしの肩をポンと叩いて席に戻るお母さん。
・・・・おいおい、お母さん。よくこんな意味不明なメールで“はいどうぞ”って娘を送り出せるよね。
それにあたし、塾の夏期講習が。
「ちょっと待ってよ、塾はどうするの? まずは理由を聞いてみなきゃ!いきなり明日からは・・・・」
「んもぅ、尻が重い子ねぇ。お母さんがいいって言ってるんだから行ってくればいいじゃない」
「そういうわけにはさぁ」
夏期講習のお代、けっこう高かったはずなのに・・・・あたしが行かなきゃパァになっちゃうじゃん。
緊急事態らしいユカ様のことは、友だちだもん、もちろん心配。
だけど、一生懸命やり繰りしてあたしを塾に通わせてくれているお母さんに申し訳ないのも確かで。
「お兄、なんとか言ってよ・・・・」
と助けを求めてみたものの、つい今しがた怒られたばかりで機嫌が悪く、そっけなく「お好きに」と返されてしまった。
まぁ、お兄ちゃんには関係のない話だけど。・・・・でもなんか、ちょっとムカッとする。
自分が悪いくせに。ガキ。