36.8℃の微熱。
「ちょっ、外でやめてよユカ様、サトルさんもっ・・・・!!」
困るよ、来ちゃったものは仕方ないにしても、人の目もあるのに。
恥ずかしいっ!
あたふたしながらなんとか頭を上げさせて、沈んだ表情の2人に向かってニッと笑ってみせる。
2人とも命に関わるような大事じゃなくてよかったじゃん。
それに越したことはないもんね。
「今回はユカがお騒がせしてどうもすみませんでした。あとでもういっぺん言って聞かせるんで、俺からも許してやって」
「いえいえっ!いいんですよ、ホントに。ちょうど海も見たかったところでしたし!」
そう言って、また謝ろうとするサトルさんを思いとどまらせる。
男の人にそう何度も頭を下げられたら、しかも年上の人にだと、あたしのほうが申し訳ない。
「そう・・・・ですか?」
「はい!」
海が見たかった、それはサトルさんにこれ以上気を遣わせないための口から出任せだったけど。
でも、せっかく来たんだしちゃんと海を見ていこう。
それに『海の家 どすこい』もどんな感じか気になるし。