36.8℃の微熱。
 
すると、今まで黙っていたユカ様がいきなり辺りをキョロキョロ見渡しはじめた。

誰かを探しているように見えるけど、一体どうしたんだろう。

不思議に思っていると、探し人は見つからなかったらしく、ユカ様は首をかしげて尋ねてきた。


「・・・・ところでさぁ、茜ちゃん。来たのは茜ちゃんだけ?」


は? 来たのはあたしだけですけども何か? 誰か連れてこいなんて一つも聞いていませんけども。

理解不能なユカ様の言葉に、アボーンと開いた口が塞がらない。


「あれっ? 昨日のメールに書かなかったっけ?」

「な、何を?」


ああ、なんだか嫌な予感・・・・。

今までなんでもなかったバッグの重みが急に肩にのしかかる。


「あの、頼みたかったのはあたしの代わりじゃなくて、サトルのだったんだケド」

「あは、あはは〜」


だ、だよね〜。

こうなったらもう笑うしかないよ・・・・って、ちっがーーーう!!


「バカっ!! そんなの全然書いてなかったよっ!!」


結局、こういうオチなんだよね。トホホ・・・・。
 

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