36.8℃の微熱。
って、あれっ?
あたし、いつの間にかユカ様のことばっかり考えちゃってない?
許すタイミングがつかめなくてまだ怒っているフリをしちやったけど、友だちづきあいも難しいなんて思っていたけど・・・・。
「じゃあ俺からも。いい人ついでに言うと、ユカもさっきからずーっとため息ばかりだよ」
「へ?」
「ほら、見てみ」
「・・・・」
サトルさんにそう促されてユカ様を見てみると、ちょっとでも手が空くと「はぁ」とため息。
笑顔で接客を頑張ってはいるけれど、見る人が見れば明らかにしょんぼりしていた。
「ユカも茜ちゃんも同じだね」
「そうですね・・・・」
心臓がキュッと痛い。
あっちの注文、こっちの注文で、見ているあたしのほうが目が回りそうなほど忙しく働くユカ様。
手伝いたい・・・・。
変な意地を張っている自分が、なんだかバカらしく思えてくる。
と、そのとき───・・。
カッシャーン!!
騒がしかった店内に勢いよくガラスが割れる音が響いた。
「あっ・・・・!!」