36.8℃の微熱。
 
そうだったのかぁ・・・・。

だったら相当のパニック状態だったんだろうな、ユカ様。

お兄ちゃんもバイクを運転する人だから、お兄ちゃん自身もいつ事故に遭ってもおかしくない。

どれだけ気をつけていても、予期できない事態に遭遇してしまうことだってあるもの。


自分の家族のことを考えただけでも、急に“お兄、大丈夫かな”って訳もなく胸がざわつくくらいなのに・・・・。

そのときのユカ様の心の中は、きっとあたしが今想像しているよりはるかに苦しくて辛くて、心臓が凍るほどだったんだろうと思う。

そう考えると、朝のあたしのキレっぷりは本当に自分勝手で。

自分のことに置き換えてみた今、遅すぎるだろうけど、やっとはっきり自覚することができた。


「ごめんね、朝はひどいこと言っちゃって。まともにメールなんか打てるわけなかったのに・・・・」

「茜ちゃんが謝ることないよ〜。ちゃんとサトルは生きてるし、ケガも大したことないし、あたしが心配しすぎただけなんだから」

「でも・・・・。ウチのお兄ちゃんもバイク運転するし、他人事じゃないっていうか、さ」
 

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