36.8℃の微熱。
 
ホント、バカだよあたし・・・・。

朝、サトルさんのギブス姿を見た瞬間、申し訳なさそうに出てきたユカ様を見た瞬間に、ここまでの想像ができていたらケンカせずに済んだかもしれないのに。

そしたら、午前中をユカ様と気まずいままムダに過ごすこともなかっただろうに。

寝不足で頭が回らなかった、なんてのは言い訳にならないよ。


「ホントごめんね」


もう一度謝ると、ユカ様はふるふると首を振ってニコッと笑った。


「じゃあここは、お互い様ってことにしとかない?」

「お互い様?」

「そう。あたしから言える立場じゃないけどさ、茜ちゃんさえよかったら、そうしてもらえたら」


・・・・だね、ユカ様。

謝って気が済むのは結局自分。

そのあと、お互いに許しあうことのほうが何倍も大事だもん。


「うん!乗った!それがいい!」

「よっしゃ!じゃあ、今からはもう謝るのはナシね!」

「オッケー!」


そうして、あたしたちは本当の意味で仲直りをすることができた。

うん。

めでたし、めでたし。
 

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