36.8℃の微熱。
 
その声で、ここにいるのはサトルさんだと分かったまではよかったんだけど。

はてさて、あたしの同級生と妙にカッコつけた大人の男って?

すると。


「あぁーーーっ!!」


隣のユカ様から奇声が!

なんとなく分かっちゃうもんなんだな、この感じ・・・・すご〜く嫌な予感がビシバシする。

一瞬たじろいだサトルさんとは違って、あたしってば妙に冷静に奇声を聞けちゃったんだもん。

きっとユカ様お得意のアレだ。

うん、呼び出しに違いない。


「どうしよう!すっかり忘れてたよ茜ちゃん!浅野君に頼んじゃったのよ、サトルの代わり!」

「やっぱり」

「や、やっぱり?」

「いやいや、こっちの話。ユカ様のそういうとこにも慣れてきたっていうか、叫んだ時点で察しがついたっていうか、ね」

「そ、そう? えへへ」


ホント、ずいぶんあたしも察しがよくなったってもんだ。

しっかり者に見えて実はおっちょこちょいなのだ、ユカ様は。

それに、こうもビックリが立て続けに起こると、いちいち驚いてもいられなくなるワケで。
 

< 204 / 555 >

この作品をシェア

pagetop