36.8℃の微熱。
その声で、ここにいるのはサトルさんだと分かったまではよかったんだけど。
はてさて、あたしの同級生と妙にカッコつけた大人の男って?
すると。
「あぁーーーっ!!」
隣のユカ様から奇声が!
なんとなく分かっちゃうもんなんだな、この感じ・・・・すご〜く嫌な予感がビシバシする。
一瞬たじろいだサトルさんとは違って、あたしってば妙に冷静に奇声を聞けちゃったんだもん。
きっとユカ様お得意のアレだ。
うん、呼び出しに違いない。
「どうしよう!すっかり忘れてたよ茜ちゃん!浅野君に頼んじゃったのよ、サトルの代わり!」
「やっぱり」
「や、やっぱり?」
「いやいや、こっちの話。ユカ様のそういうとこにも慣れてきたっていうか、叫んだ時点で察しがついたっていうか、ね」
「そ、そう? えへへ」
ホント、ずいぶんあたしも察しがよくなったってもんだ。
しっかり者に見えて実はおっちょこちょいなのだ、ユカ様は。
それに、こうもビックリが立て続けに起こると、いちいち驚いてもいられなくなるワケで。