36.8℃の微熱。
すると。
「ちょーっと待ったぁぁぁ!!」
と、王子のストップがかかった。
・・・・だからさ王子、アナタそんなキャラじゃなかったでしょうよ。
いきなり目の前に現れたかと思ったら、グラスが乗ったお盆を奪い取ろうとすごい顔だ。
「なんでしょう、浅野君」
「なんでアイツのだけ氷たっぷりなんだよ。しかも茜に持って来させるなんて・・・・!」
「そんなこと言われても。あたし喉渇いてたし、ついでだよ」
「氷は?」
「それは、早く溶けてジュースの味が分からなくなればいいと思って。ちょっとしたイヤガラセ」
“暑そうだったから”なんて正直に言おうものなら、長いこと王子につかまってしまう。
そしたら先生に「カメ!」とか言われちゃいそうで、それが嫌で適当にウソをつくあたし。
「ふぅ〜ん。ならいいよ」
「ありがと。じゃあ、勉強の続きがあるからもう行くね」
「分かんないとこがあったら俺に聞いて!俺に!!」
「はいはい」
はふぅ〜、飲み物を取りに行くのも一苦労だわ、こりゃ・・・・。