36.8℃の微熱。
 





「ただいマンモス〜」

「うわっ。やめろよ茜、んな猛烈にダサいダジャレ。メシがまずくなるじゃねーか」

「言いたくもなりますよ、お兄。あたし、もうダメかも・・・・」

「ん? どしたの」


トボトボと家に帰り、夕飯時だったこともあってそのまま食卓に直行したあたし。

最初に手荒く迎えてくれたのは、6つ上のお兄ちゃんだった。

ハンバーグをむしゃむしゃ食べながら、テーブルに崩れ落ちたあたしを不思議そうに見ている。


「ちょっと茜、その格好!それに帰りが遅くなるときは電話しなさいって言ってるでしょ。何のために携帯持たせたの!」

「へぃ」

「返事は“はい”!」

「・・・・はい」


そこにやって来たのは、あたしのぶんのハンバーグを用意してくれたお母さん。

さっそく雷を落とされた。


「あのね、お母さん」

「なに?」


お母さんが席についたのを見計らって、ハンバーグの前に鞄から紙を取り出し無言で差し出す。

嫌なことはさっさと済ませて、美味しくハンバーグを頂きたい。
 

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