36.8℃の微熱。
 
あたしが寝ている間にそんなことがあったんだ・・・・。

一食逃したくらいで騒いでいる場合じゃないよ、あたし。

本当は、あたしが気づかなくちゃいけない、あたしがボランティアをしなくちゃいけない。

マリアンヌさんに店の手伝いを断られたとき、どうして思いつかなかったんだろう・・・・。


「いい先生じゃん。塾の先生のことは分かんないけど、学校の先生だって、今どきそこまでやってくれないよ?」

「ホントそうだね」

「マジメに授業を受けろ、学校をサボるな、問題を起こすな。そればっかだし。息苦しい」

「うん」


塾の先生の中にだって、先生みたいな人はいないよ。

学校とは違って生活指導も部活もないし、勉強をしに来た生徒に勉強だけ教えるんだもん。

先生みたいな塾講師はごくごく稀で、だからあたしは塾に通えていると言っても過言じゃない。


「・・・・ごめん、ユカ様。あたし、ちょっと行ってくる!」


そう言って、あたしは部屋を飛び出した。・・・・ちょうど、浜にいる先生が女の子集団にナンパされはじめたからじゃないけど。
 

< 245 / 555 >

この作品をシェア

pagetop