36.8℃の微熱。
 
「あれ。なに? そこの子」


そんなことを考えて勝手に切なくなっていると、集団の1人があたしに気づいて指を差した。

その彼女の言葉で、ほかの4人も先生も一斉に振り向く。


「あ、江田ちゃん」

「・・・・ど、どうも〜。なんていうか、その〜・・・・ずいぶんおモテなようですねぇ。アハハ」


こういう場合、あたしは一体、どうするべきなんだ?

先生の嘘に乗っかるべき?

・・・・まぁ、半分は本当だけど。

それとも正面からお姉サマ集団に“ナンパはやめて”って言う?


あ、でも、あとのほうは却下したほうがいいかもしれない。

あたしを見るお姉サマたちの目といったら・・・・明らかに“邪魔よ、ちんちくりん!”と言っている。

先生に言い寄っていたさっきまでと、目も態度も全然違った。

そんなお姉サマたちに圧力をかけられては、怖くて何も言えなくなるのは仕方のないこと。


「あなた何者? 先生と知り合いみたいだけど、どんな関係?」


そう聞かれても、ただあたふたするだけだった。

てか、助けなさいよ先生!
 

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