36.8℃の微熱。
でしょ!? と言うべく、キッと見上げるあたし。
でも、あれっ? ・・・・お兄ちゃんの顔、なんだか変なんだけども。
「・・・・お兄?」
そこら辺に転がっていたクッションをボコボコ殴りながらしゃべっていたあたしの手も止まる。
だってニタニタ・・・・。気味悪い。
「・・・・な、なによ。気持ち悪いんだけど、その顔」
もう一度聞いてみるも、まだお兄ちゃんはニタニタ笑っている。
やばい、本当に気味悪い。
そう思っていると、お兄ちゃんが思い出したように口を開く。
「つかぬことを聞くけどよ、茜の大っ嫌いな先生って、歳いくつだったっけ?」
「はっ? ・・・・確か、今年24とかなんとか。それが何か?」
「んー、ギリギリアリか」
「は? 分からん、お兄」
「いや、こっちの話」
んん?
本当、全然分かんないんだけど。
「まぁ、とにかく俺は塾には賛成だから。理由はどうあれ金出してもらうんだから、オカンをガッカリさせるなよ」
「それは分かってるよ。っていうかさぁ───」