36.8℃の微熱。
───*。゚
それは、今をさかのぼること半日前の通学電車でのこと。
高校生活の最初の日だというのに見事に朝寝坊をしてしまったあたしは、予定より1本遅い電車に乗ることになってしまった。
「く、苦しい〜・・・・」
満員電車でサラリーマンの間に埋もれ、身動き一つできずに電車はガタゴト走っていく。
「いたっ!も〜、誰の足?」
カーブにさしかかると、バランスを崩した誰かに思いっきり爪先を踏まれる始末で・・・・。
本当、散々な初登校になった。
それでも、乗り込む人の波に逆らいながらなんとか電車を降りることに成功したあたし。
寝坊のせいで春休みに必死に練習したメイクも中途半端。
髪の毛もぎゅうぎゅう詰めのせいでボサボサで、制服も悲しいくらいに乱れて・・・・。
「・・・・あたし、こんなんで友だちできるのかな?」
発車する電車のドアに映った自分の姿に途方に暮れてしまった。
トイレで身だしなみを整えたいところだったけど、時間も時間でそうはいかず。
結局、学校までダッシュ。