36.8℃の微熱。
しばらくして、どうやら笑いが治まったらしい爽やかイケメン君。
今度はキリリと引きしまった表情であたしの目を見る。
「それで、さっきの続きなんだけどさ。もしかしなくても嫌いなんでしょ? その先生のこと」
もしかしたら、爽やかイケメン君は秀才君なのかもしれない・・・・とひそかに思った。
少し話しただけでそこまで断言できちゃうとは、さすがだ。
・・・・あ、でも、顔に出やすいタイプだって言われたんだっけ。
じゃあ、あたしがあからさまに正直なだけ、か。直さねば。
「うん。ぶっちゃけると大嫌い」
「嫌いに“大”までついちゃったかぁ。それは相当嫌われたものだね、その先生」
「いやぁ、類い稀なる“俺様”の持ち主なのよ。昨日もさぁ・・・・」
と、そこまで言いかけて、あたしはハッと口をつぐんだ。
爽やかイケメン君は、急に黙ったあたしを不思議そうに見ている。
いくら話しやすいとはいえ、ここで約束を破ってはダメダメ。
『俺の悪口を誰かに言い触らしたら課題100倍にするから』
それだけは勘弁。