36.8℃の微熱。
「ノリで赤くなれるなんて、やっぱ江田ちゃんって変な子だわ〜。ある意味、器用? 天才?」
「そうとも言えますね・・・・」
どう切り返そうかと黙っていると先生にはそう言われ、あたしは否定できずに肯定してしまって。
このとき喉まで出かかっていた、じゃあ先生は好きな人に顔を近づけられても赤くならない自信があるのか!! というツッコミは、言えないままに終わった。
「認めちゃったよこの子!どれ、試しに俺のドアップでも・・・・」
「ギャッ!! 近い近い近い!」
「あはははっ、ちょ〜ウケるっ!さっそく赤くなってやんの!」
「・・・・ッ!!」
だって、もし言ったらあたしの気持ちがバレてしまう。
先生はおかしなところの勘が鈍いから、言ったとしても“一般論”として捉える可能性もなきにしもあらず・・・・だけれども。
予測不能な先生のこと、どっちに転ぶかてんで見当がつかない。
チキンのくせに、また叫んだくせに、あたしには“理想の告白”というものがあるのだ。
少なくとも、このような状況下では絶対にしたくなかった。