36.8℃の微熱。
そんな思いもあって。
この件に関しては、あたしはこう言い張ることにした。
「先生は男だから分かんないかもしれないけど、赤くなるもんはなるんです!女子だから!!」
「そうなの?」
「そう!」
我ながらトホホな言い訳である。
残念な子である。
でもこれ以外の言葉はあたしの脳みそでは考えられなくて、渋々だけど納得してもらえるまで、またしても1週間の時間を要した。
あたしだって、男子が顔を真っ赤にして照れているところを見たことがないワケじゃない。
むしろけっこう見ている。
身近なところだと、海の家でお世話になっていたとき・・・・「一目惚れだった」と言ってくれたときの王子がまさにそうだった。
あと、たまにお兄ちゃんも。
「へぇ、そういうもんなのかぁ。俺、小春にも“アンタの辞書には照れるって文字がないのか!”って言われたコトあるからなぁ」
「・・・・ナポレオン?」
「いや、それ“不可能”だから。でも、江田ちゃんの言うコトにも一利あるかもなぁ」
けれど、先生は少し違うらしい。