36.8℃の微熱。
 
「どう考えたって今日は中止に決まってんだろ!必ず今日じゃないとダメな理由もないのに!」


あたしの前まで来ると、先生は珍しく真剣な顔でそう言った。

それから、怒っているような安心したような・・・・そんなどっちにも受け取れるため息を一つ。

大きくつく。


「心配したんだぞ!電話やメールが来てた時間からはずいぶん経つし、まさかと思って連絡しても江田ちゃん出ないし!」

「・・・・え」

「“え”じゃないよ、頼むから携帯のチェックくらいしろよ」


そう言われて慌てて鞄から携帯を取り出してみると、あ。

ディスプレイは真っ黒、けれど、どこにも濡れたような跡は見当たらない、ということは・・・・。


「電池、切れてたみたいです」

「マジかよ!?」

「・・・・マジっぽい」

「江田ちゃんっ!!」

「ごめんなさいぃ〜」


そこでようやく3日くらい充電していなかったことを思い出したあたしだったけど、後の祭り。

今度はハッキリ分かる、呆れたというため息を盛大につかれた。

横着すぎだわ、あたし。
 

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