36.8℃の微熱。
 
「ホンっトに江田ちゃんは・・・・!何やってんだよ、アホめ。ほら、しっかり!足に力入れて!」

「はいはい、今すぐに!」


んもー、少〜しぶつかったくらいで年甲斐もなく怒っちゃって。

そんなにガミガミ言われなくても今すぐ胸板から離れますよーだ。

・・・・とまぁ、ここまではわりとよくある話なんじゃないかと思う。


傘をさしてあげるつもりが、よろけて胸に飛び込んでしまって、それでちょっと怒られる。

みたいなパターン。

でも・・・・。


「あれ、れれれれ」

「どうした江田ちゃん!?」

「なんか無理ぽ。眠いし・・・・」

「はぁっ!?」


足どころか体中のどこにも力が入らなくて、というかスルスル抜けていって・・・・そこでプッツリ。

意識が途切れた。


「おいっ、しっかり江田ちゃん!んなトトロのメイみたいな格好でつっ立ってたからだぞっ!!」


意識が飛ぶ直前、先生がそんなことを言っていたような気がしないでもなかったけれど・・・・。










 

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