36.8℃の微熱。
 
「っあー・・・・頭割れるー・・・・」


そりゃそうだよね。

あんな雨の中を何時間も待って、それで倒れて。風邪を引かないほうがどうかしてる、って話。

でもなー、なんでだろう。

大事なことをお母さんに頼まれていたような気もするんだなー。

思い出したい・・・・。


───と、そこに。

ガバッ!


「江田ちゃん、お粥作ったから食いな。悪かったよ、いろいろと。だからおとなしく看病されろ」

「ひぃっ!!」


いつの間にあたしの傍からいなくなっていたのか、そしてお粥まで作っていたのか・・・・。

先生が勢いよく布団を剥いだ。


「ほら、体起こして。口開けて。・・・・ふー、ふー。ん!食え!」

「・・・・は?」

「んっ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・ぱくっ」


どういう風の吹き回しなのかは分からないけど、いきなり優しくなった先生に体を起こされ。

有無を言わせぬ顔で口の前にお粥をすくったレンゲを差し出され。

そしてあたしは、ワケが分からないままそれを食べさせられた。
 

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