36.8℃の微熱。
 
「どうだ、うまいだろ?」

「しょっぱい」

「・・・・コイツっ!文句を言うな!いいからさっさと食え!」


何を言うにも相変わらずの俺様口調だし、俺様な態度だし、あたしの都合なんて聞きもしないし。

でも、このときの先生の顔・・・・。

有無を言わせぬってよりは心配してくれているように見えたから。

あたしも文句を言いながらも、先生が冷まして口に運んでくれるお粥を素直に食べられた。


「よし、こんだけ食えれば、あとは薬飲んで寝とけば治るな」


お粥を食べさせ終わった先生は、そう言って今度は薬を手渡した。

あたしがそれを口に入れると、本当に手厚い看病で、ナイスタイミングで水を渡してくれる。


「ありがとう、先生」

「いや。そもそも、俺が朝まで飲むからいけなかったんだよな。俺のせいで江田ちゃん、具合悪くしたのにさ。つい、いつもの調子で冗談なんか吹っかけるし」

「あ、いや、それは・・・・」

「雨の中、いつ連絡をよこすかも分からない俺を健気に待ってたんだろ? 礼を言うなら俺だ」

「先生・・・・」
 

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