36.8℃の微熱。
 
ああ、あたし好きだなぁ、先生のこういうところ。

いろいろ言うけど、結局いつも最後はあたしを助けてくれる。

海の家のときも、あんこが迷子になったときも、そして今日も。


今なら言えるかな。

先生に“好き”って・・・・。

ううん、そんな弱気じゃダメだ。

今日言わなきゃ、今度はいつ同じようなチャンスが巡ってくるかも分からないもん。・・・・よしっ!


「あ、あの、先生」


あたしは心を決めて、布団を握る手にギュッと力を込め、先生の目を真っすぐに見つめた。

ドキドキ、ドキドキ。

全身が心臓になったみたいで、息もできないくらい苦しいけれど、ここは言うしかない。


「なに?」

「う、ん・・・・えーっと、そのー」


今日言わなきゃダメだと覚悟を決めたのは紛れもない確かなこと。

でも、いざ口を開くと出てくるの言葉はどうでもいいものばかり。

もう心が折れそうだ・・・・。

でもっ! あたし頑張る!!


「ん?」

「すすすす、好き!・・・・ですっ!せせせせ、先生のことがっ!!」
 

< 370 / 555 >

この作品をシェア

pagetop