36.8℃の微熱。
ああ、あたし好きだなぁ、先生のこういうところ。
いろいろ言うけど、結局いつも最後はあたしを助けてくれる。
海の家のときも、あんこが迷子になったときも、そして今日も。
今なら言えるかな。
先生に“好き”って・・・・。
ううん、そんな弱気じゃダメだ。
今日言わなきゃ、今度はいつ同じようなチャンスが巡ってくるかも分からないもん。・・・・よしっ!
「あ、あの、先生」
あたしは心を決めて、布団を握る手にギュッと力を込め、先生の目を真っすぐに見つめた。
ドキドキ、ドキドキ。
全身が心臓になったみたいで、息もできないくらい苦しいけれど、ここは言うしかない。
「なに?」
「う、ん・・・・えーっと、そのー」
今日言わなきゃダメだと覚悟を決めたのは紛れもない確かなこと。
でも、いざ口を開くと出てくるの言葉はどうでもいいものばかり。
もう心が折れそうだ・・・・。
でもっ! あたし頑張る!!
「ん?」
「すすすす、好き!・・・・ですっ!せせせせ、先生のことがっ!!」