36.8℃の微熱。
 
言わなきゃ何も始まらない。

今まではきっと、始まってすらいなかったんじゃないかと思う。

誰かがどこかで言っていたような気がするんだ、口は気持ちを伝えるためにあるって。

だから、だから・・・・。


「先生の俺様なところも、サングラスかけて着替えさせてくれたところも、あと、しょっぱいお粥を作ってくれたところも!! 全部ひっくるめて好きなんですっ!!」


はぁ、はぁ、はぁ・・・・。

息が上がる。

でもあたし、言いたい。

先生をどれだけ好きか、あたしの口からちゃんと伝えたいっ!


「だって先生、ホントはすごく優しいじゃないですか!あたしに内緒で海の家の宿泊代を稼いだり、浜のゴミ拾いをしたり、あんこのときも、今日もそうだった!飛んで駆けつけてくれたもん!!」

「江田ちゃん・・・・」

「だからあたし、先生に興奮してもらえる体になるからっ!もっと数学も頑張るし、いろんなことを中途半端にしない!」


王子のこともそう。

それに、もう二度と“江田ちゃんは地球がひっくり返ってもナイ”なんて言わせないっ!!
 

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