36.8℃の微熱。
 
たぶん先生は「冗談キツいって」とかわすか、もしくは「熱で頭おかしくなった?」と皮肉っぽく言いながらも心配するだろう。

あたしの怒涛の告白を受けた先生は、今まさになんと言葉を返そうかと考えている顔。

ふっとあたしから視線を外して、小難しい顔をして考えている。


でも残念。

冗談でもなければ、頭がおかしくなったワケでもなく、これは正真正銘あたしの本気。

先生が何を言ってこようと、あたしには受けて立つ覚悟がある。

どーんと!ででーんと!

カモン!先生!!


「江田ちゃんさぁ、そのー・・・・」

「はいっ!なんでしょう!」


先生が視線をあたしに戻した。

さあ、どっちで来る!?

かわすか皮肉か、どっちにしろ、もうあたしは言うことを用意しているからいいんだけど。

けれど・・・・。


「江田ちゃんって、何気にかわいいトコあんだね。なんかよく分かんねぇんだけど、今俺、素直に嬉しーとか思っちゃった」

「・・・・か? ・・・・う?」


かわいい? 嬉しい?

そのパターンは想定外!!
 

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