36.8℃の微熱。
こっちはめちゃくちゃ真剣に想いを伝えているというのに、何がおかしいのか吹き出した。
こういうところ、失礼よね。
「なんですか。あんこだって女子ですよ!先生に恋したっておかしくないじゃないですか」
「いやいや、そうじゃなくて。俺が言いたいのは・・・・プッ」
「はい?」
ムッとしてそう言うと、先生は笑いを噛み殺しながら否定する。
じゃあ、なんなんだろう。
人の告白を笑っておいて違うと言うのなら、それなりの理由がないと納得できませんけど。
とりあえず笑いがおさまるのを待って、もう一度聞いてみる。
「で、何が違うんですか?」
「いやー、江田ちゃんが朝から変なこと言うから笑っちゃったよ。あのさ、昨日も言ったでしょ、気持ちはしっかり頂きましたって」
「はぁ」
「それに俺、犬は対象外だし。しっかり人間が好みだから、あんこと張り合うだけムダってコト」
「はぁ」
・・・・ん? それってどういう?
そう聞こうと思ったけれど、あたしが考え込んだ隙をついて先生は黒丸を発進させてしまう。