36.8℃の微熱。
Chapter.4*高熱
酸っぱい青春
昨日、バンビが気絶する間際に言った連絡網が回ってこなかったため、とりあえず学校へ向かった。
いつまでも道路につっ立っているワケにもいかず、あんこもお腹を空かせてクンクン鳴くし。
餌と水と、おトイレマットを新しくして、家を出ることにした。
いつも乗る時間の満員電車には、また倒れるかもという恐れもあって到底乗れる気分ではなく。
「おはよう、茜ちゃん。今日はギリギリじゃない? 珍しいね」
「おはよーユカ様。まぁ、こっちもいろいろあってね・・・・」
ユカ様より遅い登校。
遅刻ギリギリで教室に入った。
すると。
「あ、あの・・・・茜?」
「うぇぇぃっ!?」
ユカ様との会話が途切れた直後、隣の王子が話しかけてきた。
新学期になってから3週間。
あんこ迷子事件から数えると、かれこれ1ヶ月近くもあたしを避け続けていた王子。
その王子がなんと自分から・・・・。
驚きすぎて変な声が出るくらい、ちょっと大目に見てほしい。
「そんなにビックリしないでよ。今日、少し時間くれない?」