36.8℃の微熱。
 
強情で悪かったわねとプイッとそっぽを向くと、先生は何がおかしいのかフッと息をこぼした。

その子供扱いをするようなフッにあたしは無性に悔しくなって、さらにきつく手の平に爪を立てる。

“大人の事情”はガキには分からない、と言われたみたいで、気を抜くと泣きそうだったんだ。


「でもね、その強情がカギだよ。方法がないわけじゃない」


けれど、そう言った先生に、あたしは背けた顔をすぐに戻さずにはいられなかった。

強情がカギ? 方法はある?

なんだろう?

ユカ様たちに光が見えてきた!!


「何ですか!? それ!」


ほんの少し前までの涙はどこへやら、あたしは急き込んで聞いた。


「押して押して、押しまくる!」

「アタックしまくるってコト?」

「そう。男って、けっこう押しに弱い部分があるから。だからさっきも、ユカ様にもう一度告白させることを勧めたワケ」

「なるほど!!」


そういうワケだったのかぁ。

ヒドいことを言うなって思ったけど、それなら話は別だよ。

先生いいコト言うじゃん!
 

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