36.8℃の微熱。
 
帰り道。

いても立ってもいられなくなったあたしは、塾を出るとすぐにユカ様に電話をかけた。

7回目のコールで「はい・・・・」と出たユカ様の声は、暗くて重くてどんよりしていたけれど。


「あのね、光が見えたよ!」


そう言うと興味を持ってくれたみたいで「なに?」と言った声には少し元気が戻っていた。

駅に向かいながら、電車を待ちながら、先生が話してくれたことをユカ様に報告する。

もちろんサトルさんもユカ様が好きだということは伏せてだけど。


「先生が言うには、男の人は押しに弱いところがあるんだって。先生情報だから確かだよ? だからさ、もう1回告白してみない?」

『うん・・・・でも、まともに告白できる自信がないよ。連絡だって全然来ないし、嫌われてる可能性のほうが絶対強いし』

「それは本人の口から聞かなきゃ分かんないコトだよ。でしょ?」

『そうだけど』

「ならさ、先生もあたしも告白のリベンジを勧めるよ。すぐに決めなくてもいいからさ、ちょっと考えてみてくれないかな?」

『・・・・分かった』

「うん」
 

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