36.8℃の微熱。
オンナの立場
「ホントに1人で平気?」
「うん!・・・・と言いたいところだけど、実は心臓バックバク。口から飛び出そうなくらいだよ」
「だからあたしも───・・」
「それはダメ。茜ちゃんは塾でしょ? そっちを優先させなきゃ」
「でも・・・・」
その日の放課後。
ユカ様とあたしは、みんなが帰った教室で2人きり、顔を突き合わせてあれこれと話し込んでいた。
内容は、もちろん告白のこと。
あたしがついて行っても何にもならないけど、せめてユカ様が悩んで決めたことを見守りたくて。
再三、一緒に行くと言ってはいるものの、こうして何度となく断られ続けているってワケ。
「でもじゃないの。茜ちゃんに一緒にいられちゃ困るもん」
「なんで?」
「だって、人の告白を聞くなんて趣味悪くない? ちゃんと報告は入れるから、それまで待ってよ」
言われてみれば確かにそうだ。
なんせ“告白”だもん、一緒にトイレに行くのとはワケが違う。
「オッケー?」
「・・・・うん、オッケー。じゃあ、報告してね。健闘を祈る!」