36.8℃の微熱。
すると、とうとう我慢の限界に達したらしい先生は、そう言って携帯を奪い取ろうとする。
けれどあたしも、今日はどうしても負けるわけにはいかない。
「・・・・ああぁぁっ!! ダメ!! 今日だけは見逃して!大事な連絡が入ることになってるの!」
「大事な連絡?」
「告白のリベンジ!ユカ様から報告が来るはずなんです!だから先生に没収されちゃ困るの!!」
没収しようと携帯を目がけて伸びてくる手をかわしながら、意地でも取られまいとあたしは頑張る。
教室で別れてからずいぶん時間が経ったけど、どうして携帯が鳴らないのかは分からないけど・・・・。
ユカ様、言ってくれたもん!
この携帯は死守せねば!!
そうして格闘すること数十秒。
「はぁぁぁ〜」とため息をついて腰に手を当てた先生は、仕方がない、というように言った。
「じゃあ、今日は居残りやめて、一緒に連絡待ってみる?」
「へっ?」
「だって江田ちゃん、全然授業は聞かないわ、すごい顔で威嚇してくるわ、無理に勉強したってどうせ身なんて入らないでしょ?」