36.8℃の微熱。
 
けれど細田さんは、体が丸ければ心も丸いのか、何を言われてもニコニコ顔のままで。

注文を受けると、狭い厨房内を楽しそうに動き回りはじめた。


先生は、そんな細田さんを見てなぜか鼻でフンッと笑い、カウンター席にどっかり座る。

あたしも先生に続いて、隣の席に座ってラーメンとチャーハンが出来上がるのを待つことにした。

ユカ様からの連絡は・・・・。


「はぁぁぁ〜、こんな時間まで何やってんだろうなぁ、ユカ様」

「まだ来ない?」

「はい・・・・。思い切ってこっちから連絡したらいいですかね?」

「うーん、とりあえず、ラーメン食い終わっても来ないようだったらメール打ってみな。お取り込み中だったら電話はマズい」

「はぁ、そうですか」


そうなのだよ、いまだ来ず。

てか、お取り込み中って・・・・もしやエッチのことだったりする!?

えぇ〜っ、まっさか〜。

いくらなんでもナイナイ。


「先生、立場を気にして好きな気持ちを隠そうとしているサトルさんですよ? ユカ様に迫られても今日くらいは理性が働くでしょ」
 

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