36.8℃の微熱。
 
ブスッと膨れて聞くとそんな言葉が返ってきて、あたしのメルヘンチックな夢はますます壊れた。

ううっ、返せっ!あたし夢!!

バカッ!!!!


「プハッ!なに、その顔!江田ちゃん、猿みたいに真っ赤だし!こういう話はしたことない? まだ早かったかぁ〜」

「うるさいですよっ!」

「恥ずかしがってやんの〜!」


そして、あたしの顔や様子、態度に何か変化があったら、こうして突っ掛かってくる先生。

今の場合、先生が目をつけたのはあたしの“猿みたいに真っ赤”な顔らしい・・・・のだけど。


「違うもん!あたしの夢をぶち壊すから怒ってるんだもん!!」

「ほぉ〜」

「なんですか!」

「いや? なんでも?」


あたし、鏡で確認するとかそんな面倒なことはしませんから。

見ないんだったら赤くなっていないのと同じ!だから先生の言ったことは断固として認めません!

あくまで“怒って”いるのだ!


そうこうしていると・・・・。


「まぁまぁまぁ、柊も茜ちゃんも一時休戦といこうか。冷めないうちにどうそ」
 

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