36.8℃の微熱。
壁全体がガラス張りになっているとってもオシャレなこの塾。
当然、あたしたちが座っているところも中から外の様子が見える。
そこに映るあたしの頭は、グッチャグチャのモッサモサ。
朝、頑張ってセットした髪型も、今はもう見る影がなかった。
「・・・・先生ってドSですよね」
かわいそうな頭をなんとかしようと、手ぐしで整えながらぽつり。
すると先生は、ガラスを鏡代わりに使うあたしと目を合わせ、ニンマリと微笑みながらこう言った。
「江田ちゃんはドMだよね」
「はっ?」
「俺にイジメられて楽しそうな顔しちゃってさ。かっわい〜」
「・・・・はぁっ!?」
その叫びとともに、あたしは勢いよく立ち上がった。
声を大にして聞きたい。
先生は、あたしのどこら辺を見て“楽しそう”なんて答えを出したんでしょーか!?!?
ちゃんちゃらおかしいです!!
「まぁまぁ。そんなに興奮なさらずに。かわいいって褒めてるんだよ? 素直に受け取りなさいな」
「できるかっ!それ、全っ然褒めてないですよね!?」