36.8℃の微熱。
 
───けれど。

そうそう喜んでもいられない事態が直後にあたしを待っていた。


「まぁ、あの2人がめでたく恋人同士になれたのはよしとしよう。ただし、だ・・・・江田ちゃん」


そう言った先生の顔は、2人のことを“よかったじゃん”と言ってくれたときとは違っていて。

すっかりいつもの俺様魔王。

てっきりあたしは、チャーハン戦争の元になった“お取り込み”をしたかを聞きたいんだと思ったんだけど、どうやら違うみたいで。

先生は、電話が鳴るまで奪い合っていたレンゲをヒラヒラと振りながら、意地悪くこう言った。


「いくら待っていた連絡が入ったからって、いきなりレンゲを離すのはいかがなもんだろう」

「へ?」

「俺の反射神経がよかったからこぼさずキャッチできたワケだが、俺じゃなかったらチャーハンが大変なことになってたんだけど?」

「・・・・あ」


しまった!! そうだった!!


「しかも俺が頼んだのにほとんど1人で食いやがって。女子とは思えない食いっぷりに軽く引きましたけれども」

「しゅびばしぇん・・・・」
 

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