36.8℃の微熱。
 
「はぁぁ〜、もー。江田ちゃんと話してると疲れるわ。・・・・とにかく話を戻すと、めいいっぱい青春してる江田ちゃんたちが羨ましかったりするの、俺は!」


ひょえぇぇっ!!

いきなり大きい声なんか出すからビックリしちゃったじゃないの!

仰け反った体がさらにまた仰け反って、ゴチッ!・・・・窓ガラスに後頭部をぶつけてしまった。

でも、あれっ? 先生の鼻・・・・。


「先生、鼻、かゆいの?」

「なんでだよ!」

「いや、ピクピクしてるから」

「うるさいなっ!してないしかゆくないしもう見るな!アホ!」


あ、ほら、またピクピク。

グフフ・・・・これって、これって!!


「先生、かぁわいいぃ〜。今からでもあたしと一緒に青春しましょうよ〜!楽しいですよ〜♪」

「江田ちゃんとなんて嫌だね」

「そんなぁ〜♪」


相変わらずの毒舌だけど、先生の鼻はずっとピクピク動いている。

細田さんが教えてくれた攻略法とは『照れているときは鼻が無意識にピクピクする傾向がある』。

だから今、先生は照れ隠し中。
 

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