36.8℃の微熱。
自慢じゃないけど、数学以外だったら少しはまともなんだ。
国語とか歴史とか、そういのだったらこんなに苦労はしない。
数学の何が苦手って、ハッキリとした答えがあること。
それよりは、あたしは人によって答えが異なる作文とか国語の読解問題のほうが断然好き。
歴史は年号とか人物を覚えるだけでいいし、ロマンがあるし。
数学なんて、簡単な計算ができれば日常生活に支障はないのに。
どうしてわざわざ、円の面積を求めたり放物線とか解かなきゃならないんだろう・・・・。
いつか役に立つ!?
だからあたしは数学が嫌い。
ついでに片桐先生も。
「江田ちゃん、数学って面白いんだよ? 好きになれない?」
半分泣きそうになりながら問題を解いていると、先生が言った。
あたしは問題に目を落としたままフルフルと首を振る。
「そう・・・・。じゃあ、どこが嫌いなの? 答えが出たとき、嬉しくならない?」
「なりません。1つしか答えがないのが嫌いです。それに、何の役に立つかも分からないし」
「それが数学じゃん」