36.8℃の微熱。
そう叫んで、ガバッ!!
タックルする勢いで先生に抱きつき、自分で勇気を注入する。
先生にしたら大迷惑。
けど、あたしにしたら大満足。
先生の体に腕を回して、胸に顔を埋めて、体温と匂いをあたしの体に思いっきり取り込む。
心臓はもう悲鳴を上げるくらいにバクバクで、頭の上から足の先までは高熱にうなされているときのようにめちゃくちゃ熱い。
でもっ、だけどっ・・・・!!
弱っちいあたしに勇気を!!
と、そのとき───・・。
「重い、江田ちゃん・・・・」
「えっ!? なな、何!?!?」
先生の体が後ろにグラッと傾いたその瞬間、あたしの体も同じように傾いて・・・・直後にドスンッ!!
大きな音が響いた。
その音のわりにはあたしの体はそれほど痛くもなくて、まさか!と恐る恐る目をあけてみると。
・・・・ギャッ!! やってしまった!!
「しゅびばしぇん!!」
倒れるとき、とっさにあたしを庇ってくれたらしく、固いフローリングの床に背中を強打した先生が苦悶の表情を浮かべていた。