36.8℃の微熱。
 
こういうシーン、覚えがある。

今もまだ携帯小説にハマり続けているユカ様に、何度となく見せられ読まされてきたシーンだ。

そこには“不可抗力”・・・・それが付き物で、主人公の女の子が今のあたしみたいに不可抗力によって押し倒す形になってしまったり。

はたまた男の子が押し倒したり。

で───最終的にはキス。


そ・れ・だ!!

まさに今、それがあたしの身にも振りかかろうとしているっ!!


「えーっと、あーっと・・・・」


こういう場合、小説の中の女の子はどうしていたんだっけ!?

ああっ、もーっ!!

思い出せない!分からない!


「うーんと・・・・」


先生との間に甘い感じなんて皆無だと思っていたあたしは、ユカ様に勧められてもざっと斜め読み。

おつき合い程度に見ていただけだったから、あとからもう一度読もうという気も起きなくて。

だから頭真っ白!!


「先生、すみませんがあたし、どうしたらよいのでしょうか・・・・」


読んどきゃよかった!と後悔しながら、本人に聞くしかなかった。
 

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