36.8℃の微熱。
グレーゾーン
“悪いことは続けて起こる”とよく言うけど、それは本当だった。
次の日の朝。
お母さんやお兄ちゃんに「その目はどうした!?」と仰天されながらも学校へ行くと、ユカ様がすごい顔で王子に詰め寄っていた。
どうしたのかと慌てて2人の間に入ってみれば、王子はひたすらに「ごめん」と謝っていて。
ユカ様は、それにも関わらずなお激しく詰め寄って「なんで!? 諦めたんじゃなかったの!?」と。
よく見るとユカ様の目は涙で充血していて、その涙がこぼれないように必死にこらえていた。
「ユカ様、お願いだから落ち着いて!! 浅野君が一体何したの!?」
王子の胸ぐらをつかむ手をなんとか引き剥がして、そう聞く。
すると、そこで初めてあたしの姿に気づいた様子のユカ様は、キッとこちらを睨みつけ。
「茜ちゃんも茜ちゃんよっ!!」
と一言。
吐き捨てるように言って、ドスドスと自分の席に戻ってしまった。
・・・・え? あたしも何かした?
意味が分からず放心していると、乱れた制服を直しながら王子がポツリ、小さく言う。